第8候【桃始めて咲く】
今日から啓蟄・次候【桃始めて咲く】という時季になります。
日本列島は東西にも南北にも長いので、もう桜が咲き始めているところさえありますが、東北や北海道では、桜どころか桃どころか梅もまだまだでしょう。
東京では、種類にもよるでしょうが、梅や桃はすでに咲いています。
春を彩る「桜梅桃李」の開花時期は、梅・桃・李・桜の順番です。桃の咲き始める今が、二十四節気では春の中ごろということになりますね。
今日の東京はあいにくの雨でしたが、こんな日には花粉が飛ばないので、私にとってはありがたい限りです。

【桃始めて咲く】なんて明るい名前でウキウキしますよね。
もともとの漢文では【桃始笑】と書き、昔は花が咲くことを「笑う」と言ったそうです。桃が咲いている様子は、たしかに「笑う」という表現がピッタリきます。
啓蟄(けいちつ)の時季に起きてくるのは冬眠の動物だけではありません。土から顔をのぞかせるのは、わらび、ぜんまいなどの山菜たちです。
冬眠から目覚めた熊が最初に口にするのは、雨水のころに芽生えたフキノトウだといわれています。
「春には苦味を盛れ」という言葉もあるそうですが、山菜の苦味が冬の間に身体にたまった老廃物を流し出し、やがて訪れる夏を乗り切るための元気な身体へと変化させてくれるのです。
山菜といえば、なんといってもタラノメですよね!
「山菜の王者」とも「天ぷらの王様」とも言われるのはうなずけます。うどに似た香りとほのかな苦さが春の到来を告げますが、南の方ではそろそろ出始めるのではないでしょうか。
早くタラノメを天ぷらで食べてみたいです☆
最後に仏教の話もひとつ。
江戸時代までは日本人にとって「宗教」といえば仏教であった、と先日お話しましたが、どんなところが宗となる教えなのか。
お釈迦様は「応病与薬(病に応じて薬を与える)」と言われ、その人その人の病(問題)に応じて薬(解決)を与える教えを説いておられます。
その内容は大変深く、あらゆる問題を解決する効き目をもっています。
その力が如何に強いか。孫悟空で有名な『西遊記』の中に次のような話があります。
神通力自在を自負する孫悟空が、釈尊にその力だめしを申し入れる。快諾されたのでさっそく悟空はキントウンを呼び、全力あげて飛びに飛んだ。
“オレの力はこのようなもの”
どうだと言わんばかりに釈尊の元へ戻ってきた孫悟空に、
「あれがおまえの精一杯か」
「あれ以上はなんともなりません」
「おまえが飛んでいるうちに、五つの大きな山があったろう」
「はい、確かに」
「真ん中の山の頂上に、おまえは何を書いてきた」
「孫悟空この山の頂上を征服せり、と記してきましたが、どうしてご存知で…」
驚いて尋ねる孫悟空に釈尊は、手のひらを開いて見せられる。
「お前は、この中指の先に書いている」
人類が何百年と研究してきた学問が総がかりとなって、やっと仏教の入り口に到達するかしないかだということに、世間の有名人が驚きの声をあげています。
文学・哲学・心理学・物理学・経営その他の分野で活躍した人たちの驚きの言葉を、今後しばらく聞いてみることにしましょう。(つづく)
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